リモート飲み会やテレビ会議でBGMや効果音を流して和もう! (ソフトウェアミキサーで遊ぶ)
リモート飲み会でネタ切れになりそうなときや、テレビ会議でトゲトゲしてきたとき、
Snap Cameraしてるけど、何かが足らない・・・
そうだ、BGMや効果音を入れてみよう!
別デバイスでBGMや効果音を鳴らして、マイクで拾う手もあるけれど、マイクと別デバイスのスピーカーの位置関係などによって、相手方にうまく流れない時があるので、
マイクの音声とBGMや効果音とをPCのソフトウェアでミキシングして、テレビ会議ソフトのマイク入力に流し込んでみた。
人間の声を狙ったテレビ会議システムなので、聞く側の音質はFMラジオ~AMラジオぐらいかと思われますが、和みのための小ネタなので・・・。
目次
必要なもの
- Windowsパソコン (テレビ会議用と兼用で1台でOK)
- ヘッドセット
- Windows用ソフトウェア
いずれも、ドネーションウェア。気に入ったり、商用利用だったりの場合は、それぞれ、15 Euro、5 Euro。
- Windowsパソコン上のBGMや効果音の再生ソフトはお好みで。
- BGMや効果音は、お好みで。著作権や著作隣接権は、各自、大人の対応で。
使うソフトウェアの概要
以前は、ハードウェアのミキサーが使われてましたけど、今はソフトウェアでもできちゃいます。PCとは別ハードウェアの方が安定してそうですし、音質も良いだろうと思いますが、試した限り、ソフトウェアミキサーでも大きな不満はなかったです。
今回使用するソフトウェアミキサーは、オンラインゲームなどのネット中継を音声コメント付きでやっている職人さんの間では、定番のようです。
以下の2つのソフトウェアとも、ありがたいことに、ドネーションウェア。気に入ったり、商用利用だったりの場合は、それぞれ、5 Euro~です。
ちなみに、作者たちの拠点は、フランスにあるようです。
-
VB-AUDIO Voicemeeter
3入力2出力のミキサーです。3入力のうち、1入力は、Windows PCの音声出力デバイスから直結専用です。2出力のうち、1出力はWindows PCの音声入力デバイス直結専用、もう1つの出力は2系統(例:ヘッドフォンとスピーカー)に出せます。
なお、上位版ソフトに、Voicemeeter Banana(5入力5出力)、Voicemeeter Potato(8入力8出力)もあります。これらには、サウンドプレーヤ・レコーダ機能も内蔵されています。サウンドプレーヤも含めると、入力数はもう1つ増えます(再生音量調節は、「Menu」の「Tape Recorder Options」の中にあります)。
- VB-AUDIO Virtual Audio Cable
PCの音声出力デバイスと音声入力デバイスを直結してくれる、仮想ドライバ。
PCで鳴らしているBGMや効果音のモニタリングとテレビ会議の相手の声を1つのヘッドフォンで聞けると便利なので、テレビ会議のヘッドフォン出力を上述のソフトウェアミキサーの入力に入れるために使います。
なお、拡張版のVB-Audio Additional Virtual Cablesでは、PCの音声出力デバイスと音声入力デバイスを直結するペアがあと最大4つまで増やせます(合計5つ)。こちらは、実質シェアウェアで、5 Euro~。
PC上の再生ソフトごとに音声出力デバイスを個別に仮想音声ドライバに音声出力デバイス指定すれば、上位版のVoicemeeter Banana等を使って、各再生ソフト単位で音量調整等が上述のソフトウェアミキサー上で一元的に操作できるようです。
今回は、VB-AUDIO VoicemeeterとVB-AUDIO Virtual Audio Cableを組み合わせて使いますが、実は、Voicemeeter Bananaを使えばこれひとつで済みます。Voicemeeter Bananaの場合は、以下の記述を下記のように読み替えてください。
「CABLE Input(VB-Audio Virtual Cable)」→
「VoiceMeeter Aux Input (VB Audio VoiceMeeter AUX VAIO)」
「CABLE Output(VB-Audio Virtual Cable)」→「VoiceMeeter Aux Output (VB Audio VoiceMeeter AUX VAIO)」
システム全体構成
具体的なインストール・設定方法の前に、システム全体構成をまず見てみましょう。
Voicemeeter User ManualのCase Study #1のまんまですが、マニュアルの構成図が1箇所誤記ってるので、改めて図を書きました。
- BUS A:
- PCで再生中のBGMや効果音とテレビ会議の相手の声(ヘッドフォン出力)をミキシングして、ヘッドフォンに流すルート。
テレビ会議ソフトのヘッドフォン出力をVB-AUDIO Virtual Audio Cable経由でミキサーの入力に入れてある。
今回やろうとしていることでは、必須のミキシングルートではないが、
PCで再生中のBGMや効果音のモニタリングと、テレビ会議の相手の声を聞くのとをひとつのヘッドフォンでできて便利。
- BUS B:
- PCで再生中のBGMや効果音とマイクとをミキシングして、テレビ会議のマイク入力に流すルート。
今回の仕組みで、本質的に必要なミキシングのルート。
USB接続のヘッドセットを使っている場合、BUS Aの出力音声は、ヘッドセットのヘッドフォンの他に、PCのスピーカー出力にも流すことが可能。ただ、テレビ会議中はマイクをミュートしてないとハウリングするので、PCのスピーカーの置き場所や向きには、要注意。
インストール
それぞれダウンロードし、Windowsの管理者権限でインストールします。
インストール後、Windowsのタスクバーのスピーカーアイコンを右クリック、「サウンドの設定」を左クリック、「サウンドコントロールパネル」を左クリックし、サウンドのデバイスとして、「CABLE Input」「VoiceMeeter Input」「CABLE Output」「VoiceMeeter Output」ができていることを確認する。
Voicemeeterの設定方法
- 1.
Windowsのスタートメニューの「VB Audio」のフォルダから「Voicemeeter」を起動する。
画面右上のゲージが右に進む間、2~5秒程度、じっと待つと起動する。
- 2.
チャンネル1、チャンネル2、アウトプットA1を、それぞれ左クリックし、デバイスを設定する。
デバイス名は、「WDM:」「KS:」「MME:」から始まる、同じ名前のデバイスが並んでいるが、特に支障がない限りは、「WDM:」で始まるデバイスを設定するのが推奨。
- 2-1.
チャンネル1は、テレビ会議のマイクのデバイスを設定する。
- 2-2.
チャンネル2は、テレビ会議のヘッドフォン出力デバイスとなる「CABLE Output (VB-Audio Virtual Cable)」を設定する。
- 2-3.
アウトプットA1は、ヘッドフォンのデバイスを設定する。
- 3.
チャンネル1は「A」を左クリックしてオフ、チャンネル2は「B」を左クリックしてオフ、VIRTUAL INPUTは「A」「B」ともオンのままとし、以下のような画面になる
- 4.
次に、PC上で再生するBGMや効果音の出力先をVoicemeeterのVirtual INPUTに切り替える。
Windowsのタスクバーのスピーカーアイコンを右クリック、「サウンドの設定」を左クリックし、「出力デバイス」を「VoiceMeeter Input (VB-Audio VoiceMeeter VAIO)」に変更する。
- 5.
Voicemeeterを終了させた後は、同様の手順でPC上の音の出力先をPCのスピーカーデバイスに変更すれば、通常どおり、PCを使用することができる。
- 6.
なお、Windowsのメール到着などの各種通知音がテレビ会議側に流れないように、システム音のボリュームをゼロにしておくとよい。
Voicemeeterの超 基本操作
上記にしたがって設定されたVoicemeeterの超 基本操作は、下図のとおり。
その他、Voicemeeterの操作方法の詳細は、Voicemeeter User Manualを参照のこと。
必要に応じてVoicemeeterに行う設定
- 1.
もし、BUS Aをヘッドフォンだけでなく、PCのスピーカーにも出力する場合には、アウトプットA2を左クリックし、PCのスピーカーのデバイスを設定する。
- 2.
アウトプットA2の出力を止める場合には、「- remove device selection -」を選択すればよい。
- 3.
また、チャンネル1、チャンネル2の名称をわかりやすいように変えたい場合には、「1」「2」を右クリックし、
- 4.
名称を入力して、エンターキーを押す。
- 5.
このように名称を付けられる。ミキサー卓にメモ書きする感覚である。
- 6.
名称を元に戻したい場合は、右クリックして、
- 7.
入力欄の内容を削除し、エンターキーを押す。
- 8.
このように元に戻る。
Webexの設定方法
- 1. Webexの「参加」をクリック後、表示される、音声接続の設定にて、「スピーカー」には「CABLE Input (VB-Audio Virual Cable)」を選択
- 2. 「マイク」には、「VoiceMeeter Output (VB-Audio VoiceMeeter VAIO)」を選択
- 3. 「音声に接続」をクリックして、会議に参加する
- 4. Webexのマイクのミュートボタン(下図の赤囲み)をクリックした場合、PCからのBGM・効果音、マイクのすべてがミュートされる。マイクのみミュートしたい場合は、Voicemeeterのチャンネル1(マイク)の「M」(ミュート)ボタンをクリックする。
Skypeの設定方法
- 1. Skypeを起動後、設定画面へ
- 2. 「音声 / ビデオ」を左クリック
- 3. 「マイク」を左クリック
- 4. 「マイク」には、「VoiceMeeter Output (VB-Audio VoiceMeeter VAIO)」を選択
- 5. 「スピーカー」には、「CABLE Input (VB-Audio Virual Cable)」を選択
- 6. Skypeの場合、「電話」という位置づけのため、Skypeで通話中は、Windows上で再生されているBGMや効果音の音量が勝手に下げられてしまう。BGMや効果音の再生ソフトを直接「VoiceMeeter Input (VB-Audio VoiceMeter VAIO)」に向け、Skypeが勝手に音量を下げないようにする。一例として、VLCメディアプレーヤーの場合の設定箇所を下図で示す。VLCメディアプレーヤーの場合は、この設定にした後、VLCメディアプレーヤーを一度終了して、起動し直すと出力音声デバイスが切り替わる。
- 7. 「無料テスト通話」でテストすることをオススメします。
- 8. Skypeのマイクのミュートボタン(下図の赤囲み)をクリックした場合、PCからのBGM・効果音、マイクのすべてがミュートされる。マイクのみミュートしたい場合は、Voicemeeterのチャンネル1(マイク)の「M」(ミュート)ボタンをクリックする。
Zoomの設定方法
- 1. Zoomを起動後、サインインし、設定画面へ
- 2. 「オーディオ」を左クリックし、「スピーカー」には、「CABLE Input (VB-Audio Virual Cable)」を選択
- 3. 「マイク」には、「VoiceMeeter Output (VB-Audio VoiceMeeter VAIO)」を選択
- 4. 「コンピュータ オーディオのテスト」でテストすることをオススメします。
- 5. Zoomのマイクのミュートボタン(下図の赤囲み)をクリックした場合、PCからのBGM・効果音、マイクのすべてがミュートされる。マイクのみミュートしたい場合は、Voicemeeterのチャンネル1(マイク)の「M」(ミュート)ボタンをクリックする。
BGMや効果音をテレビ会議システムに流してどれくらいの音質で聞こえるのか?
冒頭に触れたように、人間の声を狙ったテレビ会議システムなので、聞く側の音質はFMラジオ~AMラジオぐらいかと思われますが、和みのための小ネタなので・・・。
実際のところはどれくらいの音質で聞こえるのか、テレビ会議室システムにBGMや効果音を流して、受信側で録音してみました。
結果から言うと、音量の変化の少ないものを選んだ方が聞こえやすいようです。
BGM:受信側
40秒過ぎからの音量変化の少ない部分は聞きやすい
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BGM:送信側
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効果音:受信側
(頭7秒程度無音、以降、各効果音の後、5秒無音あり)
1分過ぎからのドラムロールは途中で聞こえなくなった
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効果音:送信側
(頭5秒程度無音、以降、各効果音の後、5秒無音あり)
|
実施環境:
- 送信側PC、受信側PC、ともに有線LAN接続のWindows10 PC
- 送信側PC、受信側PC、ともに単一の光インターネット回線に、接続
- テレビ会議システムはWebexを使用
効果音をかんたんに鳴らす (ポン出し)
効果音ラボのようなサイトをブラウザで表示させといて、マウスでカチカチやって、効果音を鳴らしても良いのですが、効果音を鳴らすと言えば、やはり、「ポン出し」です。ググるといろいろありますが、お好みで。パット見で2つだけリンク貼っときます。
今回は、無骨なUIが素敵な(褒め言葉)「効果音ポンだしくん」を試してみました。
- 1. インストール
zip解凍して、適当なフォルダに置きます。インストーラーとか余計なものがないのが素敵。必要に応じて、「PonDashiKun.exe」のショートカットをデスクトップ等に作成。
- 2. 初回起動
- 3. まず、設定ファイルの保存先を指定します。これをしないと音源を追加しようとメニューの「追加」をクリックしても怒られるので・・・(無骨すぐる・・・)
「ファイル」→「名前を付けて保存」
設定ファイルの拡張子は、各自お好みで付けるしきたりです・・・(無骨すぐる・・・)
- 4. 効果音の音源の追加は、「追加」から行います。
「名前」に任意の名前を入力し、「参照」から音源ファイルを指定します。
音源ファイルの指定などを「保存」します。
- 5. 2回目以降の起動
前回の設定ファイルを自動的に読み込んでくれたりはしないので、都度、「開く」から設定ファイルを指定して読み込みます。(無骨すぐる・・・)
今回は、効果音ラボからダウンロードした効果音を20個並べてみました。
- 6. 基本的な操作
「Key」で指定したキーは、各音源の再生のショートカットキーになります。
「グループ」で指定した音源どうしは、再生中に同一グループの音源の再生が始まると再生停止します。ここでは「正解!」と「ブブー不正解」を同じAグループに指定してあるので、「C」キーで「正解!」の音源を再生中に「B」キーで「ブブー不正解」を再生するときには「正解!」の音源の再生を停止してから「ブブー不正解」が再生されます。正解、と思ったら、やっぱり、不正解!みたいなときに、それっぽく演出できます(笑)
- 7. その他の操作
「操作」のメニューの下を見てみましょう。
- 「Ctrl+R」のショートカットで音源の再生を停止
- 出力音声デバイスの指定は「デバイス出力」から
- Pondashikun.exeのウィンドウがバックグラウンドの時も、ショートカットキーで効果音再生をしたい場合には「バックグラウンド入力許可」を有効に。
あとは、zipの中に同梱されている「ReadMe.txt」に少し説明が載っています。左側のストップウォッチで設定した時間を経過したら、特定の効果音を鳴らす、といったこともできるようです。無骨だけどネ申!
- 8. 補足
効果音再生のショートカットキーが効かない場合は、
Windowsのキーフックを使用する常駐ソフトウェアを併用している影響の可能性があります。当該常駐ソフトウェアのキーフックを一時的にオフすると解消する場合があります。
私は、Keyhacというのを使用しているのですが、emacsキーバインドを効かせないソフトの指定に「PonDashiKun.exe」を追記することで、いちいち、キーフックを一時的にOFFしなくても、効果音再生のショートカットキーが効くようになりました。
おまけ:ボイスチェンジャをかます
なんとなく試してみた。ググったところでは、下記3つですかね。どれも、インストーラとかもなく、zip解凍して適当なフォルダに置いとくだけです。
5分ぐらいづつ試した個人的感覚感じでは、恋声が良さげだったので、それについてかんたんに。
- 1. インストーラは特にないので、zip解凍して適当なフォルダに置く。32bit/64bit共用のkoigoe.exeと64bit OS専用のkoigoe(x64).exeがある。koigoe(x64).exeを起動してみた。
- 2.「設定」から、「録音デバイス」「再生デバイス」を選択し、「OK」で閉じる。
- 3.「入力」のマイクボタン、「声の高さと性質の調整」の「M→W」(Men→Women)をクリックして、ヘッドセットでしゃべるとそれらしい声がヘッドフォンから聞こえる。「W→M」(Women→Men)は声が低くなって、プライバシー保護のボイスチェンジっぽくて笑える。
- 4. 「Pitch」「Formant」のスライダーを左右に変えると声が変わる。プリセットは、Ctrlキーを押しながら数字キーをクリックすると保存、数字キーのクリックで呼び出しとなる。
また、「Original」のチェックボックスにチェックを入れると、ボイスチェンジなしの地声になる。
- 6. ボイスチェンジャを通した声をテレビ会議システムに流すには、仮想音声入力デバイスがもう1つ必要になる。VB-Audio Additional Virtual Cables、もしくは、Voicemeeter Bananaが必要になる。ここでは、Voicemeeter Bananaを使用した。ボイスチェンジャの音声デバイスの設定とシステム全体構成は以下のようになる。ミキサーの白枠の「A1」をオンにするとボイスチェンジャを通した声をヘッドフォンでモニターしながら、テレビ会議側に流せる。
参考:無償商用利用な効果音・BGMサイト例
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