• ESP Muse Luxeの概要
• ESP Muse Luxeの購入
• ESP Muse Luxeの第一印象
• ESP Muse Luxeの分解
• LMS対応ファームウェアに書き換え
• ファームウェア書換後の普段使い
• ディスプレイ(OLED)を接続してみる
• 本体内蔵バッテリの大容量化
• NFCタグで操作できるようにする魔改造

• raspiaudio社が開発・製造する、バッテリ内蔵のBluetoothスピーカ。AirPlay(WiFi)にも対応。
  メーカによる商品概要
• 2×5 W スピーカ内蔵 (うさぎ小屋な部屋で鳴らすには十分)
• ファームウェアを書き換えることで、Logitech Media Serverの再生クライアントとして使用可能。
• 他にも、スマートスピーカ的に使えるファームウェアなどが提供されており、書換可能。
• 外部接続端子(Groveポート)に、小型ディスプレイ(OLED)などを接続可能。
• Arduino IDEを使ってファームウェアを誰でも開発・書込可能。
• メーカによるFAQ
• Logitech SqueezeboxのユーザフォーラムでのESPMuse Luxe Speakerのスレッド

米国amazonから日本に発送可で売ってます。

本体：49.90 US$
送料：12.33 US$
----------------
合計：62.23 US$

2022/10時点で、9,165円でした。
輸入関税なし。

同梱物

• microUSBケーブル 50cmぐらい
  初期出荷品は充電専用ケーブルだったようですが、届いたものは、充電・データ通信兼用ケーブルでした。
• 3.5mm ステレオミニプラグケーブル(オス～オス) 50cmぐらい
• 取扱説明書
  

開封動画は他所様のもので。

• 適度なサイズと適度な重量感。黒の塗装も無難な感じ
• Bluetoothスピーカの音質は、よくもわるくも、普通
• ボタン操作系が変。
  • ボタンを押す度、スピーカから「ブチッ」と変な音がする
  • 添付マニュアルと挙動が違う。
    • ＋ボタン：play/stopボタン
    • 右三角ボタン：ボリュームダウン
    • －ボタン：ボリュームアップ
  初期不良？配線間違い？と疑うも、後述の分解動画を見る限り、ボタンは基盤上に直接実装されてるので、配線間違いは考えにくい。
  ファームウェアを書き換えたら、変な音もしないし、期待動作になったのでめでたしめでたし。

• 分解動画は他所様のもので。
  
• まず、スピーカの前を網？をとりはずすとこんな感じ (写真は他所様のもの)
  
• さらに蓋をあけると (写真は他所様のもの)
  
• ボードはこんな感じ (写真は他所様のもの。最終版かどうかは不明)
  本体のボタン、背面の各種端子はボードに実装されてるようです。
  バッテリ、スピーカのケーブルはボードに直ハンダ付
  
  
  
• 主なチップ
  • ESPRESSIF社 ESP32-WROVER (MCU、Wi-Fi、Bluetooth)
  • DAC：ES8388
  • Silicon Labs CP2104 USB to UART Bridge
  • 2 x NSIWay NS4160 Class AB /Class D audio amplifiers
• ESP32-WROVERチップのピンアサイン (他所様のもの)
  

• メーカによる解説
  • 後述のコミュニティ版ができたので、もうメンテされてないくさい
• メーカ外のコミュニティ版
  • Windowsの場合、USBシリアルのドライバをSILICON LABS社よりダウンロード・インストール
  • Squeezelite-ESP32のGitHubサイトにあるインストーラページをChromeで開き、PCとMuse LuxeをmicroUSBケーブルで繋いで、ファーム書換ができる。
    選択肢は、「Muse」の中の最新版を選んで「CONNECT」をクリックする。
    2022/10時点では「Version 2.1223 from branch master-v4.3, 16bits」だった。
  • アップデート操作の「雰囲気」はメーカ版ファームウェアのアップデート動画が少し参考になる。(画面がところどころ異なるので、あくまで「雰囲気」)
    
  • ファーム書換に2分ぐらいかかる。Chromeを開いたまま、そっとしとく
  • ファーム書換完了すると、Muse Luxeが再起動し、WiFiのアクセスポイントモードになる。WiFiが付いてるPCやスマホなどで、SSID：squeezelite、パスワード：squeezeliteで接続。ブラウザでhttp://192.168.4.1/にアクセスし、ブラウザ画面内で、自宅のWiFiアクセスポイントのSSID・パスワードを設定。
  • ファーム書換してたブラウザに戻り、「LOG&CONSOLE」をクリックすると、起動時ログが表示され、自宅WiFi接続時にDHCPで割り当てられたIPアドレスが見える。ブラウザでそのIPアドレスを開く。
  • 最新版に書換後のWeb UI画面
    
  • 「System」タブにて、Telnet serverを有効化すると、telnetの標準ポートに接続して、USBシリアル接続時と同様に、起動メッセージや動作中の各種メッセージが見れる。
    受け付けるコマンドは「help」と入力して確認できる。基本的にWeb画面で設定できることとと変わらない模様。 入力文字列がエコーバックされないので、telnetクライアントによってはtelnetクライアントの設定をどうにかする。(TeraTermの場合は、設定→端末→ローカルエコー)
    

    
    ※LMSから再生中にtelnet接続すると、大きなノイズが鳴って、LMSからの再生が止まってびっくりするが、落ち着いて、LMSで一時停止・再生し、telnet接続し直すと何事もなかったのようになる。ま、telnet接続はパスワードもなくアクセスできるように、「Use only for trobleshooting」だそうなので、こんなもんでしょ。

  • Docker上でLMSを動かしている場合など、再生クライアント側でLMSのIPアドレスを指定したい場合は、「Audio」タブにて、「Optional setting」に指定し「Save」と「Apply」をそれぞれクリック
    
  • 「Credits」タブにて、「Show NVS Editor」「Show Advanced Commands」にチェックを入れると、もう少し詳細な設定画面が表示される。
    

    「Show Advanced Commands」タブにて、「Reboot system to Squeezelite」の「Execute」をクリックすると、Logitech Media ServerのWeb UIの機器選択などに、Muse EXEが「squeezelite-xxxxxx」と表示され、接続完了
    
    

ひとことで言うと、ふつーに、LMS対応再生クライアント、兼、Bluetoothスピーカとして使えました。

• 本体のボタンの挙動。
  • ＋ボタン：ボリュームアップ、長押しで次の曲へ
  • 右三角ボタン：play/stopボタン、長押しでLMS接続オフ/オン
  • －ボタン：ボリュームダウン、長押しで前の曲へ
  購入時はボタンの挙動が変だったが、ファームウェア書換で期待動作になったし、ボタン押下時の謎の「ブチッ」音は鳴らなくなった。めでたしめでたし。
• LMSのWeb画面で電源ボタンオフ、または、本体の右三角ボタンを長押しで、LMSから離脱すると、Bluetoothスピーカ / AirPlay対応スピーカになる。
  Bluetoothスピーカ / AirPlay対応スピーカ状態での本体ボタンの挙動は上記と同じ。
  この状態で、背面のLINE in jackになにか繋いでも音は鳴らない。むしろ、LINE in jackになにか繋ぐと、スピーカから音が出なくなるとかなんとか。コミュニティ版ファームウェアが今後改善されるかも。
  LMSから電源ボタンオン、または、本体の電源ボタン長押しでLMSクライアントに戻る。
• LMSのセッティング→Plugins→3rd party pluginsから「SqueezeESP32」プラグインをインストール
  LMSのセッティング→プレーヤで「squeezelite-xxxxxx」を選び「ESP32 settings」を選ぶと、周波数別のイコライザーモードが使えるらしい。DACを操作して、イコライジングしているようだ。
  
  この画面の「ESP32 settings」のリンクからもMuse LuxeのWeb画面に飛べる。

• ESPMuse Luxe FAQを参考にした。
• 対応OLEDディスプレイは、下記画面に表示されるドライバが載ったもの。
  ただし、Muse Luxeの外部Grove端子はI2C接続のみなので、注意。
  分解してチップに直接ハンダ付けしたら・・・とかは確認してません。
  SH1107対応のOLEDでもSH1106ドライバ指定で動いたりもしてます。下位互換？
  
• ESPMuse Luxe FAQに載ってた、seed StudioのGrove - OLED Display 1.12'' V2を共立エレショップで見かけたので買ってみたが、うちの環境ではOLEDは映るが、Muse Luxeから音が出ないという怪現象。付属のケーブルで繋いだし、ケーブルのピンアサインも確認したし。個体不良かもしれません。
  
• 改めて、SH1106ドライバに対応した、1.3インチ(128x64ピクセル)のものを日本Amazonで見つけたので買ってみる。2個で1,599円。
  WINGONEER 2個1.3"IIC I2Cシリアル128 x 64 SSH 1106 OLED LCDディスプレイLCDモジュールAVR PIC STM 32 - ホワイトフォント
  ケーブルは、Amazon経由のスイッチサイエンスさんで、 GROVE - 4ピン-ジャンパメスケーブル (5本セット)を購入。616円＋送料200円也。
  
• 本体側のGroveポートの形状とピンアサインはこうらしい
  
• 購入したケーブルのコネクタは下の写真の左側のように引っ掛けられるになってるものだが、Muse Luxeの本体側コネクタはそうではないので、下の写真の右側のように出っ張り部分をニッパなどで切り取る。
  また、Muse Luxe本体のGroveポートのピンアサインとLCD側のピンアサインが微妙に違うので結線に注意。SCL(黄色)とSDA(SD0)(白）が逆。
  
• 本体設定は、下記の箇所を設定して、「Save」をクリック、「Apply」をクリックで再起動する。
  「Flip horizontally」と「Flip vertically」は、LCDの向きを合わせるために設定。「Rotate 180 degrees」が効けば、それで済む話なのでが、効かないので。
  
  
  

  I2C addressは、ディスプレイをGroveポートに接続してから下記画面でわかるのでそれを設定。大抵、60(3Ch)か120(78h)らしい。今回のディスプレイは基板上、78hと書いてあるが、3Chで見えた。
  

• Muse Luxe本体の電源スイッチをオフにしてから、Groveポートに接続、電源オン。
• 表示例：
  本体電源スイッチオン→起動中：
  
  LMSの電源オフ時
  
  LMSで再生中
  
• LMSのセッティングから、年月日、時刻の表示の設定変更
  
  見切れが減った
  
  
• ディスプレイの表示内容の設定変更はLMSから。
  
  「タイトル(アーティスト名)」の横スクロールをうまく写真に取れなかったのでフォントがガタガタに見えますが、実際にはあまり気にはならないです。ま、もともとあまりきれいなフォントではありませんが。
  
  その他、ディスプレイの表示の設定画面。
  
  
• 違うディスプレイも試してみた。こちらは、1.5インチで128x128ピクセルなので広々。
  
  購入は、ZEKE 楽天市場店だが、届いた実物は、上の写真のAliExpressのこれ。AliExpress上の複数の写真を見ると微妙に違うが、AliExpress上の一番左画像(＝上記画像)と同じものがZEKE 楽天市場店から届いた。ゆうメール発送だけど、都内で発送してるからか、発送翌日には届いた。
  どちらのWebサイト上もドライバはSSD1327とあるが、実物裏面には、Driver：SH1107と書いてある。

  I2Cの設定は同じで、ピクセル数や液晶の向きの関係で下記のように設定変更。「Save」して、「Apply」して、Muse Luxeを再起動。
  
  
  ディスプレイのピクセル数が増えたので、アートワークも表示するように設定変更。目一杯、アートワークを大きくするため、表示オフセット位置のデフォルトの40x40を32x32に変更して「Enable」にチェックを入れて、「Apply」をクリック。
  
  表示例はこんな感じ。16-bit greyscale表示になっているはず？！いや、単にモノクロですね。変換はLMS側なのか、SqueezeESP32側なのか、OLEDのドライバ内なのか、ま、雰囲気はわかるので楽しい。
  
  

詳しくは、メーカの掲示板にて。
Battery upgrade for the MuseLuxe
2000mAhのバッテリを3500mAhのバッテリに交換すると、連続再生時間が4時間から9時間などになるらしい。
ま、うちは持ち歩かないので・・・

ただ、本家スレによると、microUSB給電しとかないでほっといて、バッテリーが消耗すると、Muse Luxeが動かなくなるらしい。Squeezelite-esp32のファームウェアだと、LMS上で電源オフしといても、微妙にバッテリを消費しつづけるらしい。
とりあえず、micorUSBでPCでつないで、USBシリアルから少しコマンド打ち込んで、ファームを焼き直すと復活するらしい。
どこかで、基板上のLINE in jackの後ろにある部品がリセットボタンなので、LINE in jackに細い棒を突っ込んでリセットできるみたいな話を見た気がするので、それをしてからファーム焼き直しとかでもよいのかな。試してないけど。

Muse LuxeのGroveポートは、I2Cなので、他の部品をさらに接続することもできるはずですが、I2Cで使える部品というと、温度計とかそういうのが多いようです。 PCF8574をつないで、その先にLEDやスイッチ付けるとかいうのもあるようですが。 いずれにせよ、squeezelite-esp32のファームウェアでは対応してないので、カスタムファームをArudino IDEで書く必要があります。
Muse Luxeは「Hackable Bluetooth Speaker」なので、そのあたりの魔改造もできるようです。

例えば、NFCリーダ(RFIDリーダ)をつないで、NFCタグをかざしてMuse Luxeを操作できるように、ハードウェアとファームウェアの魔改造をしている人もいるようです。
ドイツ語のスレ
Bluetoothスピーカのファームウェアをベースに、RFID対応しており、microSDカード上のファイルを再生する仕組みを実装してるようです。
NFCタグかざしたら、指定の音楽が流れるみたいな仕組みにしたら、子供受けしそうですね。
Groveポートの本体内側にケーブルをはんだ付けして、RFIDリーダを本体上部に内蔵しちゃったみたいです。おもろー


上記動画ではいちいちブチブチ音がしますが、最新の実装ではブチブチ音は消えているようです。 Muse Luxe購入時に導入されてるファームでも、ボタン操作する度、ブチブチ言ってたのがSqueezelite-esp32のコミュニティ版ファームでは直ってたので同じようなことかと。